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olailaの心趣くままのお話の部屋
ちょっとHで、ドキドキ出来そうな出来なさそうなお話の部屋です。R18を含む表現がありますので、対象年齢以外の方の閲覧はお辞め下さい。
春の彼(ひと) 2
私の顔に触れた手はそのまま私の髪を梳いて頭を優しく撫でるように触れてくる、不思議と心地よい気分なり、綺麗な顔と優しい眼差しに促されるように答えたの。

「えっと、花を見てたの。おかしいと思われるかもしれないけど・・・、草花の妖精たちとお話ししていたの。今日は綺麗ね、とか、甘い香りがするのねとか・・・。そうしたら、花の妖精があっちを見てごらんって言うから、見たら貴方が木の下で本を読んでたの。あんまり綺麗だったから、見とれてて・・・。」

「ふ~ん、そうなんだ。君って不思議ちゃんなんだね。でも、嫌いじゃないよ、そういう子って。僕の顔って、そんなに綺麗?僕男だよ。君の方が可愛くて、綺麗だよ。」

今まで髪を撫でていた手が、頬を沿って顎まで下がり、軽く上を向かせるの。
うっとりとするような彼の眼が私の顔を吟味しているの、心臓がドキドキと跳ね上がり顔が赤くなっていくのがわかるの。

「そんなに緊張なんかしないで、僕との時間を楽しもうよ。僕もこんな素敵な女の子が側にいるなんて、君と同じくらい心臓がドキドキしているんだから、そんな顔してない?じゃぁ、その手をここに当ててごらん。」

私の顎にある手はそのままで、反対の手で私の手を取って、自分の胸に当てさせるの。

「どう?」

「馨さんの心臓もドキドキしている。」

「ね、嘘じゃないでしょ。」

そんなことを言いながらも、顎にある手から親指がのびて私の唇をなぞるの、女慣れしてるって感じる仕草。
嘘つきって、心の中で言いながらも私の心臓は早鐘のように高鳴るの。

「んっふ、赤くなった。唇もちょっと渇いちゃったね。僕が持ってきたコーヒー飲む?」

私の心を弄ぶように、私に触れていた手を放して、ポットに入れてきたコーヒーをコップに入れて渡してくたの。
コーヒーのいい香りが口の中がカラカラに渇いていることを教えてくれていた。
ドキドキしているのに居心地がいいって不思議、こんな男性(ひと)が世の中にはいるんだって心の中で呟いて彼が差し出してくれたコーヒーをすすったの。
少し甘いコーヒー。

「美味しい。」

「よかったぁ。僕は苦すぎるのは苦手だから、メープルシロップを入れて少し甘くするんだ。ミルクは入れないけど。砂糖よりもメープルシロップの方が優しい甘さがして僕は好きなんだ。」

「確かに、優しい感じがします。どことなく木の香りもしてくるような気がします。」

「んっふ、メープルシロップは元々木から抽出するからね、木の香りがするってそうかもね。うん、言われてみればそうかもしれない。」

私の一言を聞いて、コーヒーを一口飲んでから目を少し丸くしながら新しい発見といった顔をして言ってくれたの。
キュンキュンって言葉あんまり好きじゃないんだけど、本当にキュンキュンっていう音が身体の外に漏れてきそうなくらい鳴っていたの。
この後は無理に話を互いにするわけではなく、桜の花の間から吹いてくる風や、眼前に広がる草花を眺めながらゆっくりと過ぎていく時を楽しんでいたの。
ただそれだけのことが、幸せで愛おしいと思えてくるの。
いつもだったら、男性が横にいるだけで緊張して小刻みに体が震えてくるくらい、男性恐怖症っていうか自意識過剰っていうのかどっちが正しい私の状態かわかんないんだけど、そんなことを感じさせないくらいどこか安心感と安らぎ?ううん、癒されるような雰囲気を持つ彼のおかげでわたしはゆっくりと日が傾くのを楽しんでいられたの。
不意に彼が背伸びをしてレジャーシートに横たわり私の方を見てこう言ったの。

「今日は本当にいいお花見日和だったな~。君と出会えるという素敵な日だったからね。ねぇ、今日の記念にキスしていい?」

「えっ?」

そう言うな否や、彼は体を素早く起こして、私の唇に唇を重ねたの。
軽く触れる様な優しいキス。

「ふふふ、驚いた顔も可愛い。またここで会おう。約束なんてしなくても君とは近いうちにきっと会えるって気がする。だから、記念のキス。」

唖然としている私をよそに、立ち上がって促すように手をだして、

「もう日が暮れるよ。このまま居たら僕は本当の狼に変身してしまうから、今日はここまで。」

そう言いながら立たせて、レジャーシートを手早く片付けてしまったの。
そして、私の頬を両手で包んでジッと見つめて

「じゃあね。気を付けて帰るんだよ。」

と言って私の頬から手を放して、手を振って桜の木の下から去って行ったの。


なんて、たわいのない妄想。
もう一度窓の外の景色を私が眺めてみたら、彼の様な人が私の家の窓から見える桜の木の下で手を振っていたようにみえたの。
いつかきっと、もう一度あの人に会うために、私はここから出ることはしないの。


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